コーヒーの酸味が苦手な方へ
「うわっ!このコーヒー酸味が強くて苦手だ!」
と思ったことはありませんか?
コーヒーは苦みのイメージが強いですが、じつは酸味や甘みも含まれてるんですよね。
ただ、そうは言ってもコーヒーの酸味が苦手な方は多くいます。
そこで、今回は、コーヒーの酸味が少ない豆の種類や、苦みとのバランスの良い豆についてお伝えします。
また、その後には酸味の原因まで、詳しくご説明していきますので、お楽しみに!
コーヒーの酸味が少ない豆!種類が違うってホント?
コーヒーの「酸味」が苦手な方は、できるだけ酸味が少ないコーヒー豆を選びたいものですよね。
酸味の正体については、後述します。
・・・が!
何はともあれ、まずは酸味の少ない豆が知りたい!という方もいることでしょう。
そこで、さっそく「酸味」が少ないコーヒー豆はどんな種類があるのか、ご紹介していきますね。
まずは、これらの銘柄を選べば、酸味に悩ませられることはなくなりますよ。
まず1つ目にご紹介するのは、マンデリンというインドネシア産のコーヒー豆です。
焙煎度にもよりますが、基本的にマンデリンはまろやかな「苦味」が特徴のコーヒー豆。
なので、味の特徴は、苦みとコクのバランスがよく、酸味をほとんど感じません。
コクが強く上品な味わいなので、カフェタイムの時のお菓子との相性も抜群です。
また、中煎りの場合はストレート、深煎りの場合はエスプレッソにして飲むと、より苦みを楽しむことが出来ますよ。
夏場などの暑い日には、アイスコーヒーにしても、とても濃厚な味が楽しめます。
コーヒーの酸味が苦手で、苦みやコクを楽しみたい方には一番おすすめの銘柄です。
続いて、2つ目!
キューバで栽培されているクリスタルマウンテンです。
クリスタルマウンテンは、あまり一般的に知られていないのですが、とても品質のいい豆なんですよ。
味の特徴は、名前の通り「透明感のある」クセのない味わいです。
香りが高く、ふんわりと甘さがあるコーヒー豆なので、酸味がほとんど気になりません。
若干の酸味があったとしても軽い酸味なので、後味がすっきりとした印象を受けます。
こちらの豆は深煎りよりも、中煎りの方がコーヒー豆の良さが引き出せます。
クリスタルマウンテンは、気分をリフレッシュさせたいときには最適のコーヒー豆ですよ。
そして3つ目は、ベネズエラという、コロンビアの国境境の西部で栽培されているコーヒー豆。
ベネズエラは、南米のどの国とも異なる味わいを持ったコーヒー豆です。
味の特徴は、酸味が少なくコクのある優しい味わいのため、初めてコーヒーを飲む方には、ぜひ飲んでいただきたいコーヒーです。
ただ、この豆にはちょっと難点があります。
・・・というのも、自然災害などの影響で生産量は少なく、日本国内で見かけることは少ないんですよね。
なので、残念ながら日本ではベネズエラを知らない方が多いのです。
もしも、ベネズエラのコーヒー豆と出会ったりしたら、「これはラッキー!」と思って、ぜひ飲んでみてくださいね。
深煎りのコーヒー豆にミルクと合わせても、コーヒーの良さが引き立つほど魅力的な豆ですよ。
ところで、ここまでは酸味が少ないコーヒー豆の種類をご紹介してきましたが、コーヒーの酸味は豆の銘柄だけで決まるのではありません。
それ以外にも酸味を回避する方法はありますので、以下の内容をぜひ参考にしてくださいね。
コーヒーの酸味が少ない豆は、焙煎が深い?
その方法とは、ズバリ!
コーヒー豆の焙煎(ロースト)の深さで選ぶということです。
コーヒー豆の焙煎具合は、浅煎り(ロースト)は酸味が強く出てしまいます。
その理由は、生豆の時の「クエン酸」や「リンゴ酸」の有機酸が残っているから。
なので、酸味を好まない方の場合、焙煎の深さは、中煎りから深煎りがおすすめなんですね。
ついでに、酸味が出にくくなるコーヒーの入れ方のコツも教えちゃいましょう。
酸味が出にくいコーヒーの入れ方のポイントは、以下の2つです。
- お湯をきちんと低温にする
- ドリップに時間をかける
お湯は沸騰させた時が、98℃です。
そこからドリップポットにお湯を移すと90~94℃位になり、コーヒーを入れる適温になります。
ところが、この温度が高過ぎると、イヤな酸味が出やすいのです。
また、ドリップのやり方も、細くお湯を注ぎ抽出することで、コーヒー本来の苦みやコクを引き出すことができます。
逆に、お湯を勢いよく注いでしまうと、これまたイヤな酸味が出やすくなります。
なので、お湯の温度と入れ方には、十分配慮してくださいね。
ところで、コーヒーの楽しいところは、いろんなコーヒー豆がある中から自分の好みを探すところでもあります。
もしも、酸味が苦手という方の中でも、できれば飲みやすくて、少しでもコーヒーの酸味にも挑戦できるものがあれば嬉しいですよね?
じつは、あるんですよ~次でご紹介しましょう。
コーヒーの酸味と苦みのバランスが取れている豆はどれ?
では、飲みやすくて苦みと酸味のバランスが取れているコーヒー豆をご紹介しましょう。
まず1つ目は、キリマンジャロというアフリカ大陸最高峰の山の近くで栽培されているコーヒー豆です。
キリマンジャロは、爽やかな酸味もありますが、焙煎が深いタイプの場合、苦味と酸味のバランスが絶妙になります。
ちなみに、このコーヒー豆は「イギリス王室御用達の豆」だということをご存知でしたか?
キリマンジャロのコーヒーの最大の魅力は、後味に雑味がないこと。
そのため、誰でも入れやすくく、飲みやすいコーヒーができるんです。
味の特徴として、苦みと酸味のバランスに優れていて、それぞれの美味しさを楽しめます。
初めて酸味のあるコーヒーに挑戦する方には、ぜひ味わっていただきたいコーヒーです。
2つ目は、ブレンドコーヒーにも使われる「ブラジルサントス」です。
味の特徴は、適度な苦みと酸味のバランスが丁度良いということ。
まろやかな口当たりと香りの高さがあるコーヒー豆になっています。
クセが少ないので、喫茶店などではブレンドコーヒーに入っていることが多いですよ。
3つ目は、マイルドコーヒーの代名詞とも言われる「コロンビア」です。
コロンビアは、豊かなコクと丁度いい酸味がコーヒーの飲みやすさにつながっています。
さらに、香りが独特なので、ひと味違ったコーヒータイムを楽しめますよ。
コロンビアは、苦みや酸味よりも「甘み」を感じる方が多い、優しい口当たりのコーヒー豆です。
では、最後に番外編として、一度は飲んでほしい「ブルーマウンテン」をご紹介します。
昔からのコーヒー好きなら「ブルマン」って絶対に知ってますよね?
実は、ブルーマウンテンは、「コーヒーの王様」という別名を持っているのです。
その理由は、甘み・コク・酸味・香りと、どれをとっても最高レベルの豆と言われているから!
コーヒーに興味がない方でも、「あ~知ってる~」というコーヒー豆でもあるでしょう。
しかし、知っているだけじゃもったいないです。
酸味が苦手な方にも、コーヒー自体が苦手な方にも、飲みやすくコーヒーの良さを教えてくれる豆ですので、ぜひ飲んでみてください。
コーヒーは「苦いだけ」でも「酸味があるだけ」でもなく、一つのコーヒー豆からいろんな風味や香りを楽しめることを感じずにはいられませんよ。
ところで、今回のテーマであるコーヒーの酸味についてですが、これを生み出している成分って一体何なのでしょうね。
これが分かると、あなたの酸味に対するイヤなイメージが一気に良いものへと変わっていくかも知れませんよ。
では、コーヒーの酸味の正体を解き明かしましょう!
コーヒーの酸味の成分って、そもそも何なの?
コーヒーを飲んだ時に酸味を感じる理由は、コーヒーの実にハッキリと現れています。
あなたは、コーヒーの実を見たことはありますか?
実は、コーヒーの実は、木にサクランボのような形で実がなっているんです。
なので、コーヒーの実のことを「コ―ヒーチェリー」と呼ぶわけですね。
チェリーと聞けば、爽やかな酸味をイメージされると思います。
コーヒー豆は、コーヒーチェリーの種子を焙煎したもの。
だから、コーヒー豆の本来持つ酸味というのは、チェリーやブルーベリー、レモンのような果実特有の酸味なのです。
焙煎された状態のコーヒー豆から酸味の想像はしづらいですが、コーヒーチェリーからの酸味の想像はしやすいですよね。
このコーヒー豆に含まれている酸味の成分は、3つあります。
- キナ酸
- クエン酸
- 酢酸
では、具体的に説明しましょう。
1つ目のキナ酸は、コーヒーの主な酸味成分です。
コーヒーの生豆の状態からカフェ酸という成分と結合し、酸味を生み出しています。
コーヒー豆の酸味成分の5~10%の割合で含まれています。
2つ目のクエン酸は、誰でも聞いたことがありますよね。
コーヒー豆の中の水分が減ると、クエン酸が増えていきます。
しかし、焙煎することで熱分解され、クエン酸は減少します。
焙煎しすぎるとクエン酸が大幅に減少してしまいます。
このことから、深煎りすると酸味が少なく感じるわけですね。
3つ目の酢酸は、実は、生豆の段階では存在していないのですが、焙煎することによって生豆に含まれる「小糖類」から生成されます。
ただし、酢酸も、クエン酸と同じように焙煎しすぎると減少します。
焙煎の時に生まれる酸味成分なのに、焙煎しすぎると減少するとは不思議なものですね。
これら3つが、コーヒー豆の酸味を生み出している成分なのです。
赤い実の「コーヒーチェリー」を知ると、コーヒーに果物のような酸味があることも、うなずけますね。
ただ、コーヒーを飲んだ時に、果物のような酸味ではなく「酸っぱい!」と感じたことがあるという方は少なくないと思います。
それは、もしかするとコーヒーの酸味ではなく、別の味である可能性が高いです。
実は、コーヒーの酸味には、良いものと悪いものがあるんですよ。
では、最後に、コーヒーの酸味の良し悪しについて詳しく説明しましょう。
コーヒーの酸味には良し悪しがある?
コーヒーの酸味に良し悪しがあるって、一体どういうことでしょうか?
実は、コーヒー豆は出荷される前に、コーヒー豆の品質審査を受けています。
その項目の中に「アシディティ(酸味)」という項目があります。
酸味の評価は、以下のどちらかになります。
- フルーティー
- サワーテイスト
「フルーティー」は、文字通り、果実のようなコーヒー本来の酸味となり、プラスの評価になります。
逆に、「サワーテイスト」は、プレーンヨーグルトのような酸味のため、マイナスの評価となります。
本来コーヒー豆の酸味は「フルーティー」でなければいけません。
つまり、コーヒーを飲んだ時に「酸っぱい!!」と感じるのは、コーヒー本来の酸味ではない可能性が高いのです。
この「酸っぱい」こそがコーヒーの酸味が苦手という人を増やしていたのです。
では、「酸っぱい!!」と思わせているのは何なのでしょうか?
実は、悲しいことにコーヒー豆の「酸化または劣化」が原因であることがほとんどなんです。
コーヒー豆の賞味期限は、焙煎してから長くても1カ月が限界です。
1カ月以降は酸化がどんどん進行して、劣化していくばかりなんですよ。
さらに、コーヒー豆を挽いた粉状の場合では、賞味期限はもっと短くなってしまいます。
つまり、多くの方が「コーヒーが酸っぱい!」という場合、コーヒーの酸味ではなく、コーヒーの劣化による「酸っぱさ」嫌っているケースがほとんどなのです。
では、なぜ酸化や劣化が進行してしまうのでしょうか?
これには、コーヒー豆の保存方法が大きく関係しています。
スーパーやコンビニ、量販店に並んでるコーヒー豆の場合、大量仕入れのため、まずお店に並んだ時点でかなりの日数が経っています。
それを、キチンとした保存方法を知らず、棚の奥にしまっている方のなんと多いことでしょう!
しかも、ほとんどの方は、コーヒー豆を挽いてから購入するパターンが多いです。
ただでさえ、劣化しやすいコーヒー豆を挽いた状態で、保存方法もちゃんとしていないわけです。
これでは、たとえ焙煎した段階で良いコーヒー豆であったとしても、酸っぱいコーヒーに悩まされることは仕方ないと言えます。
コーヒーの酸味って、いろいろな場所で嫌われる対象となりやすいです。
でも、ほとんどの方が感じている「イヤな酸味」というのは、コーヒー豆に対する誤解から生まれているケースが多いんですね。
ぜひ、この機会に正しいコーヒー豆の知識を持って、酸味に対する理解を深めていただければと思います。
では、いろいろお伝えしましたが、最後にコーヒーの酸味についておさらいをしましょう。
まとめ
今回は、コーヒーの酸味についてお伝えしました。
まずは、コーヒーの酸味が苦手な方に、以下の3種類の豆をご紹介しましたね。
- マンデリン
- クリスタルマウンテン
- ベネスエラ
酸味と苦みのバランスが取れた豆ということ、以下の3つ。
- キリマンジャロ
- ブラジルサントス
- コロンビア
そして、番外編ということでブルーマウンテンをご紹介しました。
コーヒーの酸味はコーヒーチェリーからきているので、果物のような味わいです。
ただ「酸っぱい!」という酸味はコーヒーの劣化が原因なので、保存に問題があります。
正しい保存方法でコーヒーの個性を生かした美味しいコーヒーを楽しんでくださいね。
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