ブルーマウンテンコーヒーとは?
最高級のコーヒーとして有名なブルーマウンテンに、あなたはどんなイメージをお持ちですか?
昔から「コーヒーと言えばブルマン」というファンもいますよね。
ブルーマウンテンに詳しくなくても「有名なコーヒー」と答える人は多いでしょう。
しかし、一方で、ブルーマウンテンは「値段ほどの味ではない」「好みではない」という意見も聞くコーヒーでもあります。
高級なコーヒーの代名詞であるブルーマウンテンに、なぜそのような批判的な評価が出るのか?
ブルーマウンテンの本当の魅力を理解していただくために説明しましょう。
ブルーマウンテンの味や特徴は?
ブルーマウンテンは味が抜群に優れ、後味も良い特徴から、高級豆として有名なコーヒーです。
コーヒーの味で使われる代表的な表現は酸味・苦み・甘味・コク。
一般的にコーヒーの好みは、「酸味」と「苦み」とで分かれますが、好きなコーヒーの味は人それぞれで、どの特徴を愛するかはその人の自由です。
しかし、コーヒーの味の特徴すべてが絶妙のバランスのコーヒーは何?と聞かれたら・・・
酸味派も苦み派も、ブルーマウンテンであると認めてしまうかも知れませんね。
ところが、ここまで絶賛され、コーヒー愛飲家の憧れであるブルーマウンテンに、なぜか「おいしくない」という聞き捨てならない評価があります。
それは、なぜなのでしょうか?
ブルーマウンテンが美味しくない?
コーヒーにハマってくると、ブルーマウンテンにも挑戦したくなります。
ただ、実際に挑戦して、噂通りの味を楽しめなかったら、舌に自信がなくなるか、コーヒーへの情熱が冷めてしまうかもしません。
ではなぜ、ブルーマウンテンでこのような残念な体験をすることがあるのでしょうか?
実は、ブルーマウンテンと名の付くコーヒー豆にはまがい物が多く流通しているのです。
高級豆として日本では人気の高いブルーマウンテンですが、消費量は流通量を大きく超えています。
その理由として、ブルーマウンテンとは名ばかりのコーヒーや、ブルーマウンテンが規定量に満たないブレンドが多いことが挙げられるでしょう。
また、高級豆であることから、他のコーヒーに比べて、ブルーマウンテンのストレートを注文することは敬遠されがちです。
「コーヒー1杯の価格が1000円を超える」
となると、やはり、余程ブルーマウンテンの特徴に魅了されていないと飲むのをためらっても仕方ありません。
そのため、ブルーマウンテンの回転はどうしても遅くなるため、酸敗し嫌みな酸味が出てしまう危険性があるのです。
専門店で回転の悪いブルーマウンテンを扱うのを避けるところがあるのは、それが理由なんですね。
折角コーヒーとして最高とも言われるブルーマウンテンの味を劣化させるのは、避けたいわけです。
また、逆に、絶妙なバランスといわれるブルーマウンテンの味を、優等生過ぎて特徴のない味だとする声もあります。
味の深みを出すのに雑味は必要だからというのが、理由のようです。
まあ、有名であればあるほど、実際の特徴や味への評価がどうしても低くなるというのは世の常。
ブルーマウンテンという名前のコーヒーは、それほど世の中に知れ渡っているわけです。
近年は、コナやコピ・ルアクのような他の高級豆の認知度も高まり、昔からのブルーマウンテンへの風当たりも強くなっているかもしれませんね。
このように、高いという知識だけでブルーマウンテンコーヒーを飲むと、味を正当に評価できない危険性も考えられます。
本当に美味しいブルーマウンテンコーヒーを楽しむのには、やはり正しい知識が必要なのです。
そこで、そんなブルマンの正しい知識を身に着けるために、ブルーマウンテンの産地や農園について説明しましょう。
ブルーマウンテンコーヒーの産地には問題が多い?
ブルーマウンテンコーヒーは、ジャマイカのブルーマウンテン山脈でも標高800~1200mで採れたものしか認められないのを知っていますか?
このエリアは標高の高さだけなく、熱帯カリブの豊かな日差しと、濃霧や雨により昼夜の寒暖差が大きく、コーヒーチェリーの熟成に最適です。
なので、この条件を満たさない標高の下の産地では、いくらジャマイカが産地とはいえ、ブルーマウンテンと呼べる高品質なコーヒーを生み出せません。
そこで、1953年ジャマイカの法律によりブルーマウンテンの産地は厳密に決められ、ジャマイカの他の産地とくっきり境界線でわけたんですね。
そんな選ばれた地区だけが、ブルーマウンテンと認められるため、流通量は非常に少なく高級な豆となるのです。
では、なぜブルーマウンテンと名の付くコーヒーは流通量以上出回っているのか?
その謎は産地に隠されています。
ブルーマウンテン山脈の800mより低い標高で作られたコーヒーを、ブルーマウンテンとして販売がされているものがあるのです。
ブルーマウンテンの味や特徴でマイナス評価をされることがありますが、それは、産地に問題があるということになります。
昭和の初めに売り出されて以来、日本でブルマンの人気は不動のものとなりました。
ブルーマウンテンの人気の高さゆえ、まがい物のコーヒーを流通させる原因を作ってしまったとも言えるでしょう。
しかし、余程のコーヒー通でもない限り、素晴らしいブルーマウンテンには出会うのは難しいのが現状です。
やはり、ブルーマウンテンコーヒーの産地を見極めるためには、信頼のできる農園の情報も把握すべきなのです。
そこで、これから評判の良い農園をいくつかご紹介したいと思います。
素人だけでは把握しきれないブルーマウンテンコーヒーの正しい出会いを成功させるために、ぜひ読んでくださいね。
農園のおすすめは?
では、ブルーマウンテンコーヒーの有名な農園をいくつかご紹介しましょう。
ジュニパーピーク農園
一時廃れかけたブルーマウンテンコーヒーを復活させた農園として有名です。
標高も1370mと、ブルーマウンテンコーヒーの条件を満たす中、特級畑で最高のブルーマウンテンコーヒーを作り出しました。
クライスデール農園
イギリス人コリン・マクラーティー博士によって1800年に商業ベースで生産を始めた歴史ある農園。
標高は2256mと、ブルーマウンテンコーヒーの基準を軽くクリアし、最高級といわれる品質を誇っています。
UCCブルーマウンテンコーヒー・クレイトンエステート農園
UCCが開発した直営農園。
カリブ海の農園としては初めてレインフォレストアライアンスを認証しました。
現地の人とのコミュニケーションやジャマイカの自然災害、手作業、様々な苦労を重ねた末ブルーマウンテンコーヒーの栽培に成功した上島珈琲が誇る農園です。
この他にも、ブルーマウンテン地区の素晴らしい農園はあります。
農園を巡るツアーなども企画されていて、ブルーマウンテンというコーヒーの不動の人気がうかがえます。
さて、産地と農園を理解できたところで、ブルーマウンテンコーヒーの等級の話に移りましょう。
最高級といわれるブルーマウンテンコーヒー№1の等級はどのように決まっているのでしょうか?
ブルーマウンテン№1?等級はこうやって決まる!
ブルーマウンテン№1とは、どういう意味なのでしょうか?
その話の前に、ブルーマウンテンの名前そのものについて見て行きましょう。
ブルーマウンテン山脈の標高800~1200mの限定エリアで栽培されるのがブルーマウンテンコーヒーです。
そのため、等級は収穫場所というより、サイズによる格付けが重要となります。
ただ、島の中央地域の1000~1200mで収穫されるジャマイカのコーヒーは、ハイ・マウテン(High Mountain)という等級がつけられています。
標高だけでみるとブルーマウンテンと同程度なので、同じ等級でいいのでは?と思ってしまうかもしれません。
しかし、政府自らが、ブルーマウンテンコーヒーは、ブルーマウンテン山脈の限定された地域で収穫されたものと、ハッキリ決めているのです。
標高は美味しいコーヒーには重要な要素ではあります。
しかし、その他に日当たりや霧といった自然条件で味に違いが出てきます。
本物のブルーマウンテンコーヒーを探すなら、ブルーマウンテン山脈が産地であるかどうかは絶対確認する必要があるのです。
また、ジャマイカで作られたコーヒーの等級には、その他にプライムウォッシュ(Prime Washed)というものもあります。
あまり聞かない等級でありますから、もしかすると日本ではブレンドなどで「ジャマイカ産」として使われているのかもしれませんね。
では、以上のことを踏まえた上で、ブルーマウンテン№1の等級について説明します。
ブルーマウンテンNo.1ってどんな等級?
ブルーマウンテンNo.1は、最高級のコーヒー豆です。
アラビカ種の等級はスクリーンサイズの大きいものほど等級が上になります。
アラビカ豆であるブルーマウンテンはスクリーン18以上のものしかNo.1と呼ぶことができません。
- スクリーンNo.2・・・17以上
- スクリーンNo.3・・・16以上
と、コーヒー豆による等級はしっかりとされています。
その中でも、ブルーマウンテン地区の有名な農園では、スクリーン19の非常に大きい豆を集め、最高級のブルーマウンテンNo.1として販売しています。
ブルーマウンテンNo.1が飲みたければ、ブルーマウンテン山脈の限定地区でスクリーンが18以上のものかどうかを確認すれば間違いは起きません。
収穫場所のところで、ブルーマウンテン以外のジャマイカのコーヒーの等級も紹介しましたよね?
それは、ブルーマウンテンかどうかを見極める時の目安のためなのです。
ジャマイカ産いうだけでブルーマウンテンとして売られていることもあるので、覚えておくと役に立つかもしれませんよ。
では、最後にブルーマウンテンコーヒーがどうして高いのか?に注目をしてみます。
どうして、勇気を出さないと飲めないような値段設定がされているのでしょうか?
ブルマンが高いのはどうして?
ブルーマウンテンというコーヒーは、なぜ高いのでしょうか?
ブルーマウンテンはストレートの場合、100g2000円前後で売られています。
これくらいの値段ならば、間違いなくブルーマウンテンと考えてよいでしょう。
ただ、この値段より低いとブルーマウンテン山脈で採れたコーヒーだとしても標高が低く、限定のエリアでないのにブルーマウンテンと販売している可能性があります。
どんなに同じ山で採れても、限定エリアでないと、本当のブルーマウンテンコーヒーではないのです。
そのため、本当のブルーマウンテンコーヒーは非常に収穫量が少なく、値段も高くなるのです。
他に、限定エリアの優良な農園が手間暇をかけスクリーンサイズにこだわったストレートコーヒーならば、かなり高額となるでしょう。
100g4000円を超えるものが出てくるのは、そういった手間をかけた選ばれしブルーマウンテンコーヒーといえるのです。
ただ「それにしてもブルマンは高い!」と思われましたか?
そんな方には、ブレンドという素晴らしい方法があるのでご紹介します。
ブルーマウンテンブレンドは店舗のこだわり?
ブルーマウンテンは、ストレート以外でもブレンドで楽しむことができます
ブルーマウンテンブレンドには専門店のこだわりが出て、そこが楽しいのです。
絶妙のバランスで絶賛されるブルーマウンテンコーヒーを専門家や愛飲家によっては、優秀すぎて面白味のない味、と評する場合があります。
コーヒーを知り尽くしたからこそでる感想かもしれません。
なので、こだわりがあるお店ではブルーマウンテンブレンドの配合具合で、個性を出そうと工夫をするのです。
ちなみに、ブルーマウンテンが30%入っていれば、ブルーマウンテンブレンドと呼ぶことができます。
もちろん、ブレンドにする場合はブルーマウンテンの香りを消さないように気をつけます。
なので、お手頃にブルーマウンテンコーヒーの特徴を楽しむにはとても良いと思いますよ。
ブルーマウンテンブレントは、その店の個性が出ている味です。
ブルーマウンテンだけの味ではありませんので、その辺りはよく理解してから注文をすると良いでしょう。
名前がブルーマウンテンブレンドでも、あまりに安い場合はジャマイカ産のコーヒーを使っただけの場合もありますから、注意してくださいね。
では、最後にまとめましょう。
まとめ
今回は、ブルーマウンテンのコーヒー豆についてお伝えしました。
ブルーマウンテンは味がバツグンで後味も良く、高級豆として有名なコーヒーです。
偽物のブルーマウンテンが出回り、本来の美味しさが理解されない点は驚きでしたね。
ブルーマウンテンコーヒーは、厳格に決められた産地と農園によって、高品質に保たれています。
しっかりした等級のもと、ブルーマウンテンNo.1のような最高級なコーヒーが生産されるので、他のコーヒーよりも高価なのは納得です。
ブルーマウンテンを少しリーズナブルに楽しむなら、ブレンドがおススメ!
ぜひ一度、本物のブルーマウンテンを味わってみてくださいね!
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