ペーパードリップの円錐ドリッパーについて
ペーパードリップには、「円錐型」と呼ばれるドリッパーと、「扇型」と呼ばれるドリッパーがあります。
もちろん、円錐型ペーパードリップならフィルターも円錐型ですし、扇型ペーパードリップのフィルターは扇形(台形?)です。
ペーパードリップは、円錐型にも扇型にもそれぞれ特徴があります。
今回は、代表的な円錐型ペーパードリップのハリオとコーノについてご説明します。
ペーパードリップの円錐型と扇型のちがいは?
ペーパードリップの円錐型と扇型の大きな違いは、もちろんその形状です。
扇型は、かなり昔からよく見るタイプで、カリタやメリタに代表されるペーパードリップです。
円錐型のペーパードリップは、昔からある扇型の欠点を補おうということで開発されました。
具体的には、円錐型のペーパードリップは、コーヒーの抽出口の真ん中の「一つ穴」に向かって一直線に落ちていきます。
そのため、お湯がコーヒー豆に触れる時間が長くなり、扇形より深くてコクのある抽出ができるとされています。
また、円錐型のペーパードリップは、ネルに近い感覚の抽出ができるというのも特徴の一つです。
なぜなら、円錐型の場合、大きめの一つ穴からペーパーフィルターの先端が出ることで、ドリッパーの制約を受けずにコーヒーが抽出されるからです。
ただし、まだまだ円錐型のペーパードリップよりも、扇型のカリタやメリタの方が一般的かも知れません。
その証拠に、コンビニなどでペーパーフィルターを買おうと思っても、なかなか円錐型に出会えることは少ないからです。
普及率、知名度という観点では、まだ扇形の方が勝っていると言えるでしょう。
まあ、これからは、そうもいかなくなると思いますが。
ペーパードリップの円錐型 コーノとハリオとは?
ペーパドリップの円錐型と言えば、やはりコーノとハリオが「二大勢力」でしょう。
コーノは、ペーパードリップにコーヒー抽出の理想「ネルドリップ」の長所を兼ね備えた「名門円錐フィルター 」で有名な会社です。
それに対して、ハリオはそれを基に新たな技術を取り入れ、「V60ドリッパー」と呼ばれる独自のペーパードリップを開発しました。
同じ円錐のペーパードリップですが、コーノとハリオには明確なちがいがあります。
それは、「リブ」と呼ばれるドリッパー内に作られた溝(みぞ)の形状です。
コーノのリブが真下へ向かってストレートに伸びているのに対して、ハリオの場合は、リブがスパイラル状になっています。
また、リブの長さも違っていて、コーノの場合はドリッパー上部にはリブがなく、下の方にだけついています。
それに対してハリオは、リブがドリッパーの上から下まで通っています。
では、どちらが良いのかと言えば、正直「考え方の違い」というところです。
コーノの言い分としては、ドリッパー上部にリブが入っていないことがメリットの一つです。
コーノの場合、ペーパーがドリッパー上部に張り付くことで、コーヒーの抽出液がフィルター中心に向かって流れ、それによっておいしくなるというのです。
もちろん、ハリオのペーパードリップにも明確な考え方があります。
ハリオの特徴は、リブがスパイラル状で、なおかつドリッパー内部の上まで付けることで、ペーパーとドリッパーの密着を防ぐことです。
この形状のおかげで、蒸らしの時に空気やガスが抜けてコーヒー豆が十分に膨らみ、コーヒーがおいしくできるというのです。
円錐のペーパードリップは、コーノとハリオの戦いがこれからも続きそうです。