ネルドリップとは、どんなコーヒーの入れ方?
ネルドリップとは、どんなコーヒーの入れ方なのでしょうか?
その名前だけは聞いたことあるけど、よく分からないという方も多いですよね。
ネルドリップは、1821年頃のイギリスで始まったコーヒーの抽出方法です。
「ネル」とは、フランネルという布のこと。
つまり、ネルという布フィルターでコーヒーを抽出するので「ネルドリップ」という名前が付いたわけです。
ネルドリップは、コーヒー通の間では「一番美味しいコーヒーの入れ方」と呼ばれることも多いです。
なぜか?
もちろん、それには、いくつかの理由があります。
ここでは、そんなネルドリップの特徴や、他のコーヒーの入れ方との違いなどについて詳しくご説明します。
ネルドリップの特徴やメリット!ペーパードリップと何が違うの?
ネルドリップの特徴って、どんなところにあるのでしょうか?
やはり一番の特徴は、コーヒー通でも唸ってしまう「味と香り」にあります。
これは、大きなメリットですね。
ネルドリップは、コーヒー通のあいだでは究極のコーヒーの抽出法なんて呼ばれているのです。
でも、ネルドリップって、言うなれば昔ながらの原始的なコーヒーの入れ方です。
なのに、なぜそれほどまでに高く評価されているのでしょうか?
その理由は、大きく分けて2つあります。
まず1つ目の理由が、極めてまろやかなコーヒーが入れられるということ!
これは、ネルがコーヒーオイルを通過させるためです。
コーヒーオイルというのは、コーヒー豆に含まれる自然の旨味オイルのこと。
つまり、コーヒーオイルがたっぷり含まれてると、まろやかでコクのあるコーヒーに仕上がるのです。
ネルはコットン素材でキメが細かいのですが、まろやかさの元となる「コーヒーオイル」は濾し取りません。
実は、ここがペーパードリップとは大きく違う部分でもあります。
ペーパードリップは紙製フィルターのため、コーヒーオイルが通過できずに濾し取られてしまいます。
そのため、オイルによるコーヒーのまろやかさが出せないわけです。
ところが、ネルドリップの場合は、コーヒーの粉や雑味はしっかり濾し取りながら、オイルだけは通過させてくれます。
それも、お湯に溶け込んでくれる「コーヒーの水面に浮かないオイル」です。
そんなネルドリップで入れたコーヒーは、ファンの間でも評価が高いわけですね。
続いて、2番目の理由に行ってみましょう。
ネルドリップが高く評価される2番目の理由は、コーヒー豆の「蒸らし」が非常にうまくできることにあります。
ネルのこし袋は、コーヒーを抽出するときには風船のようにふっくらと膨らみます。
その際、ネルフィルターの表面から、コーヒーを抽出する時に出る「炭酸ガス」がうまく逃がされるのです。
これによってコーヒー豆のふくらみが最大限まで解放され、しっかり蒸らすことができるわけですね。
蒸らしがしっかりできると、コーヒーの旨味や香りが十分に引き出されておいしくなります。
ネルドリップの味が「深い」と言われるのはそのためなのです。
一方、ぺーパードリップの紙フィルターは、ドリッパーと呼ばれる陶器の入れ物にセットされます。
陶器のドリッパーは炭酸ガスの放出を遮るため、コーヒーの膨らみが妨げてしまうのです。
つまり、ネルドリップはコーヒー豆のふくらみを活かすという意味でも、とても優れた抽出法なのです。
あなたも、そんなネルドリップで美味しいコーヒーが入れられたら良いと思いませんか?
それでは、続けてネルドリップの美味しい入れ方をご紹介しましょう!
ネルドリップの入れ方は?プロの入れ方をご覧ください!
ネルドリップの入れ方は、キチンとポイントを押さえれば難しくありません。
でも、コーヒー入れ方って一連の流れがあるんですよね。
なので、いろいろと説明するよりもライブ動画をご覧いただいた方が、理解が早いと思います。
そこで、私がいつも購入している「珈琲キャロット」さんのネルドリップの入れ方をご紹介しますね。
とても勉強になるのでじっくりご覧ください!
動画をご覧になって感じませんでしたか?
ネルドリップで入れる時って、コーヒー豆がこんな感じで膨みつつ、蒸らしが行われるんです。
しかも、ネルはコーヒーオイルがしっかりと抽出されるため、とてもまろやかなコーヒーに仕上がるわけですね。
見ているだけでも、美味しそうなコーヒーでしょ?
あ、そうそう。
新鮮なコーヒー豆は、ネルドリップでコーヒーを美味しく入れるためにも不可欠です。
なので、もしも動画のコーヒー豆が気になった方は試すことも出来ますので、ぜひお店をのぞいてみてくださいね。
さて、今までの話だけを聞くと、ネルドリップの方がぺーパードリップよりも優れている感じを受けるかも知れません。
ただし・・・
実は、ネルドリップってペーパードリップにはないデメリットがあるのも事実です。
そこで、最後にネルドリップを使用するにあたってのデメリットや注意点を、いくつかご紹介したいと思います。
ネルドリップのデメリットは手入れと保管だった?
ネルドリップのデメリットには、どんなことがあるのでしょうか?
一番のデメリットは、ネルフィルターの手入れや保管に「手間がかかる」ということでしょう。
ネルドリップのネルフィルターは、1日1回は煮沸する必要があります。
なぜなら、コーヒーを入れる時に付着したコーヒー粉が、ネルの繊維に残ってしまうからです。
繊維に残ったコーヒー豆は、どうしても酸化しやすくなります。
酸化したコーヒー豆が付いたネルを使うと、その味や臭いがコーヒーに移ったり、酷い場合だと「カビ臭」がする場合なんかもあるんですよ。
だから、ネルドリップのフィルターは、毎日の煮沸が不可欠なのです。
さらに、煮沸したネルドリップは、冷蔵庫に入れておくので「保管スペース」が必要になります。
たっぷり水を入れた容器に、ネルのフィルターを丸ごと入れて保管するため、けっこうな広さがいるわけです。
冷蔵庫が大きいお宅は問題ないと思いますが、ちょっと小さめな冷蔵庫の場合はかなりなスペースを取ってしまいます。
「そんな手入れや保管なんてイヤだー!」
・・・って方には、絶対にぺーパードリップの方がおススメです。
ペーパードリップは、コーヒーを入れたらペーパーフィルターごと粉をポイ!っとしたら終わりです。
もちろん、保管しておく必要もありません。
陶器のドリッパーをさささ~って洗ったら終わりなんですね。
まあ、このお手軽さによってぺーパードリップは、ネルより普及率が高いわけです。
- プロのように美味しいコーヒーを目指すならネルドリップ
- いつでも手軽にコーヒーを飲みたい方にはペーパードリップ
そんな感じで、ネルドリップとペーパードリップを選んでみると良いと思いますよ。
さて、ネルドリップについていろいろとお伝えしましたが、最後にまとめましょう。
まとめ
では、最後にまとめです。
ネルドリップとは、フランネルという布フィルターによるコーヒーの入れ方でした。
コーヒー通の間では、一番美味しいコーヒーの入れ方と言われることも多いです。
ネルドリップの特徴は、以下の2つでした。
- コーヒーオイルを通過させるため、まろやかなコーヒーになる
- コーヒー豆がしっかり蒸らせるため、味に深みが出る
これは、ペーパードリップとの違いでもありましたね。
ネルドリップの入れ方は動画が分かりやすかったと思います。
ネルは、手入れと保管が面倒というデメリットがありました。
味を極めたいならネル、手軽にコーヒーを楽しむならペーパードリップがおすすめです。
これからネルドリップを始めようか思案中の方は、ぜひ参考にしてくださいね!